後期の授業が始まり、「年末までにあとどれくらいバイトのシフトを入れられるか」を考え始めた人も多いのではないでしょうか。大学生のお金の悩みというと「103万円の壁」がよく話題になりますが、実はそれとは別に、家族の健康保険の扶養にかかわる「130万円の壁」というものが存在し、しかも2025年秋以降、大学生世代に関わる部分が大きく変わっています。この記事では、一次情報(日本年金機構・厚生労働省)をもとに、最新のルールを整理します。
そもそも「130万円の壁」とは何か
「130万円の壁」とは、税金の話ではなく、親などの社会保険(健康保険・厚生年金)の扶養に入り続けられるかどうかの基準です。親の会社の健康保険の扶養に入っている学生は、年間収入が一定額を超えると扶養から外れ、自分で国民健康保険に加入したり、勤務先の社会保険に入ったりする必要が出てきます。これまでは「年収130万円未満」であることが、被扶養者として認定され続けるための基準の一つとされてきました(日本年金機構)。
「103万円の壁」(従来の所得税の壁で、2025年度税制改正により基準が引き上げられています)とはまったく別の制度である点に注意してください。103万円側の壁については、当サイトの「【2026年最新】収入基準の変更まとめ」で詳しく解説しています。
【最新】19〜23歳未満は「150万円未満」に緩和されている
日本年金機構の公式発表によると、被保険者の配偶者を除く親族で、認定日時点(12月31日基準)で19歳以上23歳未満の人については、2025年(令和7年)10月1日以降の扶養認定から、収入要件が「年間収入130万円未満」から「年間収入150万円未満」に引き上げられました。大学生の多くはこの年齢層に該当するため、実質的に扶養に入りながら働ける収入の上限が広がったことになります。なお、9月30日以前にすでに認定されている人には別途経過的な取り扱いがあるとされているため、時期をまたいで扶養状況が変わる人は勤務先の健康保険組合や協会けんぽに確認しておくと安心です。
2026年4月からは「見込み収入」で判定する方式に変更
さらに、厚生労働省・日本年金機構・全国健康保険協会が2026年3月9日付で出した事務連絡(年収の壁・支援強化パッケージに関するQ&A)によると、2026年4月1日以降に認定日が来る扶養認定からは、労働契約の内容にもとづいて見込まれる年間収入で判定する方式に変わります。労働契約上に明確な定めがなく、契約の段階では見込みにくい残業代などは、原則として年間収入に含めないとされています。一方で、実際の収入が契約上の見込みを大きく超え、「社会通念上妥当な範囲」を超えて増えた場合は扶養から外れる可能性がある、とも説明されています。制度の細部は今後さらに通達で補足される可能性があるため、最新情報は日本年金機構や協会けんぽの公式サイトで確認することをおすすめします。
混同しやすい「106万円の壁」との違い(データ確認不可の部分あり)
ニュースなどで見かける「106万円の壁」は、130万円の壁とは別の基準で、従業員数などの要件を満たす企業で一定時間・一定賃金以上働く場合に、扶養から外れて自分自身が社会保険に加入する基準です。2026年4月・10月にかけてこの106万円の壁や企業規模要件を見直す動きがあると報じられていますが、具体的な制度内容や施行日の細部については、本記事執筆時点で一次情報による確定情報を十分に確認できませんでした。この部分は「データ確認不可」として明記し、断定を避けます。バイト先の労働時間や企業規模によって扱いが変わるため、不安な人は必ずバイト先の労務担当者に直接確認してください。
今からできること
- 自分が家族の健康保険の扶養に入っているかどうかを確認する
- 自分の年齢(19〜23歳未満に該当するか)と、今年の年間収入の見込みを確認する
- 掛け持ちバイトをしている人は、合算した年間収入で判断されるため、当サイトの「複数バイトの確定申告」の記事もあわせて確認する
- 不安な場合は、親(被保険者)の勤務先の健康保険組合・協会けんぽ、または日本年金機構に直接問い合わせる
「103万円の壁」の税金面の話は「アルバイトの税金・扶養の仕組み」や「扶養控除等申告書の書き方」の記事でも解説しているので、あわせて読むとお金の全体像がつかみやすくなります。
まとめ
大学生世代(19〜23歳未満)の健康保険の扶養基準は、2025年10月から「150万円未満」に緩和され、2026年4月からは判定方法そのものも「見込み収入ベース」に変わります。ルールが変わったタイミングだからこそ、「なんとなく130万円までと聞いていた」という情報のまま働き方を決めてしまうと、思ったより多く働けたはずの分を損してしまう可能性があります。最新の基準を確認したうえで、後期のシフトや年末までの働き方を計画してみてください。
参考にした一次情報
- 日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」
- 日本年金機構「被扶養者の収入要件に関するFAQ」
- 厚生労働省・日本年金機構・全国健康保険協会 事務連絡(令和8年3月9日付)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・社会保険の判断を保証するものではありません。最新かつ正確な内容は、必ず日本年金機構・協会けんぽ・お勤め先(またはご家族の勤務先)にご確認ください。
