「お金が欲しい」——そう思って副業やバイトを探しているとき、SNSに流れてくる「絶対に儲かる投資」「優しくて将来有望な出会い」の広告やDMに、つい心が動いてしまうことはありませんか。実はその気持ちにつけ込むのが、いま急増している「SNS型投資詐欺」「SNS型ロマンス詐欺」です。以前の記事では闇バイトの見抜き方を紹介しましたが、今回は”お金を増やしたい”という前向きな気持ちを狙う詐欺について、警察庁・金融庁・国民生活センターの公式情報をもとに整理します。
被害はこの1年で5割近く増えている
警察庁が2026年6月に公表した「令和7年確定値」によると、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺全体の認知件数は15,168件、被害額は1,834.3億円にのぼり、前年よりそれぞれ約48%、約44%増加しました。内訳を見ると、SNS型投資詐欺は認知9,523件・被害額1,288.0億円(+47.9%)、SNS型ロマンス詐欺は認知5,645件・被害額546.4億円(+36.3%)です。特にロマンス詐欺では、暗号資産で送金させる手口が2,177件と前年の約2.8倍に急増しており、被害額全体の約半分を暗号資産が占めています(出典:警察庁)。年代別の学生比率など、大学生に絞った公式統計は今のところ確認できませんでしたが、SNSでのDMや広告経由の接触が被害全体の約8割を占めるという点は、SNSを日常的に使う大学生にとって他人事ではない数字です。
SNS型投資詐欺、よくある3つの手口(金融庁の注意喚起より)
金融庁が公開している注意喚起では、代表的な手口として次の3パターンが紹介されています。
- クローズドチャット誘導型:動画サイトなどからDMが届き、「〇〇証券」のような名前のグループチャットに誘導される。”講師”や”先生”を名乗る人物が現れ、指南通りに投資すれば儲かるという趣旨のメッセージが流れる。
- AI診断を装う手口:「AIがあなたに合った投資法を診断」といった触れ込みのサイトに誘導し、そこからSNSでのやり取りに引き込む。
- 無登録業者の紹介:金融庁に登録されていない海外のFX業者などをSNS上で宣伝し、キャッシュバックなど特典を強調して口座開設や入金を促す。
金融庁は「証券会社が個人名義の銀行口座への入金を指定することはない」「公的機関や著名人の名前を騙る場合は要注意」「本物そっくりの偽アプリで最初だけ出金できたように見せる手口もある」と警告しています。少しでも怪しいと感じたら、金融庁の登録業者一覧で名前を検索する習慣をつけましょう。
SNS型ロマンス詐欺のパターン(国民生活センターより)
国民生活センターが紹介する典型例は、SNSやマッチングアプリで知り合った相手と親密なやり取りを重ね、信頼関係ができた頃に「荷物を送るので代わりに受け取ってほしい」「受け取りに通関料が必要」などと金銭を要求してくるパターンです。パスポート画像などを見せて本物らしさを演出することもあります。国民生活センターは「面識のない相手からの荷物受け取り依頼に安易に応じない」「手数料や税金名目の要求には応じない」「不安になったら送金前に消費生活センターへ相談する」ことを呼びかけています。
大学生が意識したい5つのサイン
- SNSの広告やDMから、個人チャット・非公開グループに誘導される
- 「絶対」「元本保証」「必ず儲かる」といった断定的な言葉が使われる
- 振込先が会社名義ではなく個人名義の口座
- 会ったことのない相手から送金や荷物受け取りを頼まれる
- 少しでも疑問を口にすると、急かされたり関係を切られたりする
一つでも当てはまったら、その場で結論を出さず、家族や大学の窓口、消費生活センター(消費者ホットライン188)や警察相談専用電話(#9110)に相談してください。
まとめ
「お金が欲しい」という気持ち自体は自然なものですが、その気持ちを利用しようとする相手がいることも事実です。闇バイトと同様、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺も「うまい話には裏がある」という基本を思い出すことが最大の防御になります。正しい情報源(金融庁・警察庁・国民生活センター)を普段からチェックする習慣を、この機会につけておきましょう。
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